WITH
ピンポーン―――……
突然、鳴り響いたインターホンに、ハッと意識を引き戻されて、私は驚いた。
キレイな夕焼けが見えていたハズの窓には、月がぼんやりと浮かび上がる闇が広がっている。
……私、どれだけの時間、こうしていたんだろう?
もう一度、鳴り響いたインターホンに考えることを中断させられて、私は玄関へと向かった。
玄関の灯りをつけ、何も考えず開けたドアの先には―――
無表情で私を見下ろす、……廉がいた。
そう気付いた時には、開けたばかりのドアを勢いよく引いていて。
「ちょ…っ、待てって!!」
廉の焦ったような声とガシャンという音が同時に耳に聞こえた時には、差し入れられたらしい右手足にドアを押さえられていて、閉めることは阻まれていた。