WITH
またいつか……、
廉が離れていってしまうんじゃないかと不安で……
そんなことを考えると、私は廉の問いに何も答えられず、ただただ黙り込むことしか出来ずにいた。
廉が信じられないわけじゃないのに……
たぶんそれは、心に住み着いてしまった小さな小さな“闇”のせい―――
「……紗和?」
呼ばれた直後、ふわりと優しく包み込まれるように、廉の胸の中へと引き寄せられていた。
「何か言えって……、黙ってたって何も伝わらないんだからさ?
紗和が思ってること、考えてること、全部、俺に教えて?」
廉の優しい声音に誘導尋問でもされたかのように、私の口からはスルスルと……次から次に、言葉が溢れ出していた。