WITH
「……私はいろんな人を傷付けて来たから、このまま廉の胸に飛び込んで、幸せになっていいようには思えないし……」
廉は私の本音を聞いても、離れていかない……?
そんな不安さえも解きほぐすかのように、久々に感じる廉の香りや温もりは、私を安心させていく。
「また、廉が離れていったら、
私、立ち直れないと思うの。それなら戻らない方が――…「俺…っ、二度と紗和から離れないよ?」
必死に涙をこぼさないように耐えていた私をきつく抱き締めて、苦しそうに顔を歪めている廉は……
私以上に、今にも泣きそうに見えた。