WITH
力の入りきらない体は、廉に凭れ掛かることしか出来なくて、そんな私を……廉はまた抱き締めた。
「……蜜華に俺達が会ってることバレたのも、俺のせいだし。
本当、ごめんな……?」
「……どういうこと?」
嘆息しながらそう話した廉の胸を押して、私は顔を上げ首を傾げた。
「香り、らしいよ……」
「かお、り……」
そういえば、蜜華さんが言っていた……
職場にまで私を訪ねてきたあの日、私と廉が会っていることを香りで確信した、と。
「蜜華は最初、紗和の香りと律の香りが一緒だってことに気付いたんだよ。……シャンプーの香り」
確かに……、一緒に住んでるんだから私と律が同じシャンプーを使って、同じ香りがすることもおかしいことじゃないんだけど……
「……それがどうして、私と廉が会ってたって気付くことに繋がるの?」