WITH
*** *
「紗和………?」
そう私を呼ぶ声に顔を上げれば、辺りは漆黒の闇が広がっていた。
一体、どれくらいの間
ベンチに座り続けていたのだろう?
「こんなところで、何してんの?」
「……啓祐、」
声の主は、見知った人物。
中学と専門学校の時の同級生で、親友って言えるくらい仲の良い男友達、岡野啓祐。
無表情に見上げる私の隣に座った啓祐は、仕事の帰り道なのか大きなバッグを肩から斜めがけしている。
「なんで……
ここにいる、の……?」
漠然と疑問を口にすれば、
啓祐は柔らかい笑みを浮かべて
説明してくれた。