WITH




「仕事帰り。
そこのコンビニで酒買って帰るとこだったんだけど、紗和に似たヤツいるなーと思って。
……やっぱり、紗和だった」




右手に持ったコンビニの袋を見せながら話す、啓祐の優しい声音のゆったりとした口調は、なぜだか私を落ち着かせた。


道路の反対側にあるコンビニは、公園内が見渡せる位置にある。


歩道から公園に入るとすぐにあるベンチにいた私が、啓祐にはよく見えた。

……ということなんだろう。




「そっか……」


「何か、あったのか……?」



前を向いていた啓祐が私の方を向き、心配そうな顔をしていて。


私は、ポツリポツリ…と
さっきの出来事を話し始めた。



< 5 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop