WITH
*** *
車に揺られ、段々と住宅地へと近付く中。
車内は、オーディオから静かに流れる音楽だけが響いていた。
二人とも話すことなく10分程たった時、口を開いたのは啓祐の方だった。
「そういえば……、
中学の同窓会のハガキ、来た?」
「うん、来てたよ?
……行くつもりはないけど」
窓の外に視線を向けたまま、
淡々と答える。
廉に会う可能性が高いのに、
行けるわけがない。
窓から入ってくる心地好い風が、
私の髪を揺らしていた。