WITH
そんな気まずい雰囲気の中、突然立ち上がり私の横に座った廉は、
「紗和……、俺のせいでごめんな?」
そう言って、ギュッと抱き締めてくれた。
絞り出すような悲痛そうな廉の声が、私の耳元で何度も「ゴメン…」と繰り返されて―――
私は明るい声で「大丈夫だよ」と答えていた。
廉に“俺のせい”だなんて思ってほしくないから……私は、ちゃんと笑えているよね?
「お前、自分でどうにかするって言ったらしいけど……どうしようとしてるわけ?」
「まだ考えてない……」
静かに紡がれる廉の言葉に、私は素直に答えていた。
犯人を捜すにしても、手掛かりといえば手紙くらいだから……何をどうすればいいのかわからないのが本音。