先輩と私と。

零が、最後の試合

ブルーな気持ちで家にかえると、



携帯が光っていた。



それはこの前設定を変えたばかりの、




零の黄色。



零からの連絡だけ、零だけ、黄色に光るんだ。





『部活どうだった??



多分みんな、まだ心が沈んでいると思います。莉生が助けてあげてね!!



呆れないであげてください。




ところで!


来週、最後の大会があるんだよ!!



メンバーになっちゃったぁぁ!!!!



どうしよどうしよ』





元気付けてくれているんだって分かるから、




嬉しい。



『ありがとう!!!




大会かぁ。いつ??応援行きたい!!!



バスケ、全くわかんないんだけど...』




返信は来なくて。




きっと部活で、頑張っているんだって思う。



零にとっては最後なんだ。




そっか。




先輩と楽器を吹けるのも最後なんだ。




3年生だけじゃなくて、私たちだって“最後”があるんだ。




そっか。





大事にしなきゃだね。




先輩たちのために、




2年だからって甘えてちゃいけないんだ。




頑張らないといけないんだ。




先輩たちがいい賞とって、うれし泣きで引退してくれるように。




そっかそっか。



分かるよ。




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