先輩と私と。
「卒業生、答辞」





それを言われれば、書いてきた原稿を開いて、





俺もそいつの目を離さずに、






ありがとう、って。





よろしくな、って。







それを、丁寧な言葉に直して、言う。







目に溜まってきた涙も、





今は必死に我慢する。






俺だって、言葉を並べるので精一杯。







1年間、人の前で話をしてきたって、






慣れなんかしない。





会長、頑張れよ。






お前が、ここの顔で、みんなお前を信用してくれているんだから。









なんてくさいせりふも今ならいえそう。










2人で壇上から降りる。




ちょこっとだけ話をした。




「先輩、ホント、ありがとうございました」




「そういうこと、言わないで、泣く」






やっぱ、ホントに、






最高。





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