先輩と私と。
「2人になっちゃった」




零はいたずらに笑う。





「ね」



知らないフリをしてご飯を食べて、




終わった頃になって、




「ねぇ、零」




「ん??」




選挙よりずっと簡単のはずなのに、




ずっと緊張する。




「あの、さ...」




何故か出ない言葉が、




「何?」




零の顔をゆがめて行く。





「零、もうちょっとで誕生日だから...これ」




言ってしまえば言葉はぽんぽん出てくる。





「え?」




「ちょっと早いけど、プレゼント」




「おぉぉー!!!マジ?もらえると思ってなかった!!!」





子どもみたいにキャッキャと喜ぶ零が可愛い。




「開けていい?」




「うんっ」





包装を丁寧にピリピリと剥いていく。





やっぱり緊張するんだ。





「おぉ!!!ありがと!!!」



それを広げる。




「テヘヘ...」



照れるから頬を掻いた。





「使う!!!絶対使うから」




「うん」




少し高かった腕時計。





でも、お年玉使ってなかったから懐は暖かかったし...。





カラオケのときに見た時計は傷ついてボロボロで、何時止まってもよさそうなやつ。





ヤマキに調べさせても、形見とかではないみたいだったから。





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