I love you~最初で最後の恋~

樹side





「だから、本当のこと話して」


「本当の事って?」


「指輪、外してから結構経つでしょ」



誰も気付かなかった所を突いてきた。



鋭いな、増井は。



「どうして気付いた?」


「前に言ったでしょ?商売道具なの」



ハハッ、そうだった。



「別れたんだよ、留美とは」


「別、れた・・・・・・?」



目を大きく開き、驚きを隠せていない。



「信じられない?」


「だ、だって、留美はあんなに先生の事好きだったのに・・・・・・」


「離婚話を切りだしたのは留美の方さ」



時は、半月前に遡る。

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