I love you~最初で最後の恋~




やっと終わった校長の長話。



今日はやたら長かったらしく、本題の職員会議は猛スピードで終わらせた。



「七海君、久しぶり」



声を掛けてきたのは沢野先生。



「久しぶり、百合ちゃんが話しかけてくるってことは俺の担当って」


「ピーンポーン!大正解!!」



マジで!?



沢野先生、通称百合ちゃん。



今はなんて呼ばれてるのか知らないが、俺達の間はそう呼んでいた。



「改めまして、滝川百合です。よろしく」



差し出された左手には指輪が輝いていた。



「何?百合ちゃん結婚したの?」



と聞きながら握り返した。



「まあね。そんなところ」



あまり嬉しそうに言わないことにちょっと不思議に思った。



どうやら孝司は1年2組の担当らしい。



残念だったな。



1年生に可愛い子が居ても付き合うまでには数年かかる。



一応教師と生徒だから。



それに比べて俺は3年担当。



相手が卒業するまでにそう時間はかからない。



ザマーミロ、孝司。
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