I love you~最初で最後の恋~
Last*Kiss




「葵ちゃん~」



誰かに呼ばれ、振り返る。



卒業式は短かった髪も大分伸び、切る前と同じ長さに戻っていた。



「“先生”をつけなさい!」



そう、私は家から近い教育部に進学し、母校に戻って1年が経つ。



担当教科は英語。



「は~い」


「で、何?」


「ココの英文の訳し方が今一理解ができなんだよね」



見せてきたノートには、さっき程終わった授業の成果が書かれている。



教師になろうと思ったのは色々な先生に触れあったから。



どういう理由でもいいから学校に来いと打つかって来た滝川先生。



誰かの温もりを求めていた時に、寄り添ってくれていた七海先生。



そして、私の考えを正し、暗闇から救ってくれた伊達先生。



悔しいけど、進路を考える時私もああいう教師になりたいと思ってしまった。



「そっか!ありがとう。増井先生の説明分かりやすくて好き」


「当たり前でしょ」



なんて言っているが、内心嬉しかったりする。

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