I love you~最初で最後の恋~




「増井先生」



生徒が去ると、授業を終えたらしい七海先生と並んで職員室へ向かう。



先生は私より先に母校に戻ってきていた。



「今晩ご飯でもどうです?」


「また誘ってください」



会う度に誘うわれるようになった。



もうこれが挨拶みたいなものだ。



「増井さん~!」



前方で大きく手を振って子供みたいな笑顔を見せる滝川先生。



左手にはリングは光っていない。



旦那さんと2つの指輪をチェーンに通して首に掛けている。



「あ、そうだ。明日から産休に入る先生の代わりに新しい先生が入ってくるんだよね」



ちゃっかり隣に並び、結果3人で職員室に向かう。



「あぁ、国語担当の・・・・・・・」


「新田先生」



七海先生に突っ込まれ思いだす。



「増井さん、人の名前を覚えるのは昔から苦手だったよね」



どうでもいい人だからよ。

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