レインリリー
友人達やリーベンのゆかりさんが
(今井さんは柄にも無く産婦人科が苦手らしく来なかった)
ひっきりなしに侑右の顔を見に来てくれ、私の病室は常に賑やか。



久々に会うゆかりさんの
その綺麗さと女度は、
やっぱり眩しくて。

そして大学や専門学校、就職と
それぞれの道に進んだ友人達の
ちょっと前とは
何気に違う服装やメイク。
匂い立つような華やいだ空気。

みんなが居てくれる間は


「もう~キレイになっちゃって」


なんて笑っている私だけど


「「ご飯でも行こうか~♪」」


話しながら帰って行く友人達を見送り

侑右と2人
――――シーン 
と音の無い病室に残されると

無性に虚しくて。
やるせなくて。



歳相応な毎日を送り
キラキラ輝く自由なみんなを
いつの間にか・・・
どうしようもなく羨んでいた。
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