レインリリー
「香奈ちゃん怒ってる?そりゃ怒るよね。いとこの俺でも呆れてるし。
でも、あいつ『副収入があれば香奈達にも楽させてやれるし』って、しきりに言ってたんだよ」


「そんなお金、欲しくないし・・・」


「そう、だよね。違法じゃないって
オバさんは言ってたけど俺ら分かんないもんな。そんな金、気分悪いよな?」


「・・・うん」


「金が入れば、すぐに銀行に戻すつもりで悪気は無かったと思うんだ。
とにかく、俺と叔父さんでクーリングオフ?ってのして止めさせるから。香奈ちゃんは辛いけど黙って見守っていてくれる?あいつ、プライド高いから女に口出されると逆に意地になって危なそうだから」


「エッ。。。
そっか、そうかもしれない。。。
分かった。崇人には何も言わない」


「すぐに連絡するから。なんか、ゴメンな」


電話口で何度も謝る堅司さんに
「大丈夫だから」と返事をして電話を切った。


きっと最初にちゃんと止めれなかった事に、責任を感じてくれている。
優しい人。


なんかもう自分達【夫婦】が情けなくて涙が滲んでくる。


なんで話してくれなかったんだろう。。。



―――相談してもらえなかった事実



それが、お金を勝手に引き出された事なんかよりも何倍もショックだった。
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