【完】溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~
やめてと訴えてるのに、彼の指先は、私
の唇をなぞることを止めてくれない。
挙げ句のはてに、そんなことを訊いてき
た。
「……セクハラよ」
「答えろ」
「……別に、初めてじゃない」
本当はいうつもりなんてなかったけど、
雅の少し威圧的な声のせいで、勝手に口
が動いた。
と、同時に、雅の私の唇をなぞる動きが
止まる。
どうかしたのかと雅を見上げれば、雅は
不快そうに眉を寄せていた。
「麗」
さっきとは違う、甘くなく、むしろどこ
か冷えた声。
思わずそれに身を竦めると、雅の手のひ
らが、私の頬を撫でてから、離れていっ
た。
「……キスは、お前がねだれ」
「……はい?」