すっぴん★
(良くここに来られたものだ)
俊介は、素がハワイに来た経緯を振り返っていた。
そして、内に熱いものが込み上げて来るのを感じていた。
その時、素の声がした。
俊介は、その声で我に返った。
「どうしたの」
素が俊介の腕を少し揺すった。
「いや、何でもない」
俊介が素を見ると、緊張しているせいか、少し青い顔をしている。
「大丈夫。大丈夫」
俊介が、素の緊張をほぐすように微笑んだ。
「分かったわ」
素が大きく頷いた。
二人は、今か、今かと、スタートの合図を待っていた。
群集は、2万人以上。
何と言う迫力。
ああ、駄目。わくわくどきどきが止まらない。
二人は、手に汗を握った。