すっぴん★
コンビ二の中は、深夜にもかかわらず客が大勢いる。
大半は、10代から20代の若者だった。
都会は、日本全国どこでも、愛のない殺伐とした精神砂漠。
24時間営業のコンビ二は、若者にとって深夜唯一のオアシスになっ
ているのかも。
素は、一直線におにぎり売り場へ。
おにぎりは、若者たちの飢えを満たしたのか、あと数個が残っている
だけ。
素の好きなおにぎりは梅。
何と、梅はと言えば、たった1つだけが、ぽつんと孤独な顔をして鎮
座しているではないか。
素は、その梅を目掛けて素早く手を伸ばした。
な、な、なんと・・・。天国で山賊!
梅のおにぎりを素がゲットする直前。
げーーー。
山賊の手が物凄いスピードで伸びて来た。そして、たった一つの梅の
おにぎりを、山賊はさっとかどわかしたではないか。