満月の人魚
その表情は生き生きとしていて、見る者の目を奪う。

(凄い身のこなしね。それにとても……。)

楽しそうであった。まるで水を得た魚のよう。

瑠璃も思わず黒沢の事を目で追っていた。

だから目の前にボールがきていた事に気付かなかったのだ。

「‼︎天野さんっ、危ない‼︎」

ドンッという衝撃と共に、瑠璃は意識を手放した。
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