満月の人魚
(そんな…どうしたらいいの?)
家長であるこの父の言うことは昔から絶対である。
それに、この場で「私を誘拐したくせに」と言う訳にもいかない。
瑠璃がそのことを知っていると知られれば、何をされるか分かったものではない。
しかし婚約なんてとてもじゃないが頷けない。
瑠璃の中で様々な恐怖が息巻いて、呼吸が苦しくなってくる。
(丈瑠……丈瑠、助けて)
瑠璃は心の中で丈瑠に助けを求めるのであった。
そんな瑠璃の様子を横で零士がじっと見ていたことに、瑠璃は気付かなかった。
家長であるこの父の言うことは昔から絶対である。
それに、この場で「私を誘拐したくせに」と言う訳にもいかない。
瑠璃がそのことを知っていると知られれば、何をされるか分かったものではない。
しかし婚約なんてとてもじゃないが頷けない。
瑠璃の中で様々な恐怖が息巻いて、呼吸が苦しくなってくる。
(丈瑠……丈瑠、助けて)
瑠璃は心の中で丈瑠に助けを求めるのであった。
そんな瑠璃の様子を横で零士がじっと見ていたことに、瑠璃は気付かなかった。