純情のち、S彼氏

ラブコメ開始

「…、え、え…?」

キョトンとする私を横目で見てから、立花はクシャッと髪をかき、下を向いた。

(な、なに今の…。照れ隠し…?)

キーンコーンカーンコーン…。

鐘が鳴る。

「今日の授業はここまで」

先生が教室を出ると、立花は立ち上がりながら、

「帰ろ……櫻井」

「…っ、はいっ」

私は思わず敬語になってしまう。

そんな私を見て優しく笑う立花が、とても愛しく思った。

「立花、櫻井と付き合うのー?!」

男子だけじゃなく、女子も冷やかす。

恥ずかしいっ…。

ギュッと目を瞑ると、立花が私の手を握り締め、歩き出した。

「た、立花っ」

「櫻井。俺…さ。櫻井のこと」

「私っっ」

立花の声を遮り、言う。言ってやる。

「立花が、好き!!!!」

立花は更に顔を赤くする。

「俺も…櫻井のこと、好きだよ」

…っ。

「俺と、付き合って下さい」

私は大きく深呼吸をして、

「はいっ」

と返事したー…。
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