どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「お前は必ず前のドアから入ってくる……から」


私が朝、彼を探す。


それは彼を囲む女子達で遮られてしまっているけれど

同じように彼も私を見ていたんだ。


「へへっ、それが聞けて良かっ……」


「まだ終わってない。」


彼は真剣な目で見て、私の言葉を遮る。


「お前がその気持ちを恋だって言うなら

俺の気持ちも恋……なのかもしれねぇ」


星野くんの言葉に息をのむ。

信じられなくて、目を大きくあけて絶対意味を分かってないと思う星野君に訪ねる。


「あれだよ、お互いが好きって言ったら

付き合ったりするんだよ、手とか繋いだりするんだよ!」


色気の無いのはもうとっく。

告白の段階からすでに、可愛さなんて欠片もなかった。



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