どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて



「バカにすんな、そんぐらい知ってる」


そうやって言う彼に


「星野くん……」


もう言葉はいらない気がした。


お互いに見つめ合う。

その視線がピッタリ合って

心臓がドキっと鳴る。


そして、私の手をぎゅっと握る彼の手を

握り返せばもう。



「好き……」


言葉なんて言おうとしなくても出てくるんだ。


幸せに包まれた屋上で、


今日、私に王子様が出来た。







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