シークレット・ガーデン


うわあああん……





理亜の愚図る声で真彩は、
布団から起き出した。



「理亜っち〜おはよう!
うちでも家族3人の中で、1番の早起きさんだもんね〜」


理亜の小さな身体を抱き上げた。

理亜はすぐ泣き止み、自分のこぶしを舐め始めた。空腹のサインだ。


遮光カーテンのせいで、部屋は暗い。


枕元のスマホでまだ朝の7時だと知った。


けれど、はっきりとカーテンの隙間から強い陽の光りがこぼれている。



渚はまだ寝ていた。


司の姿は無く、乱れたままの布団は抜け殻だった。


理亜のオムツを替え、Tシャツをめくって授乳を始めると、キッチンの方から香ばしい香りが漂ってきた。


授乳を終えて、理亜を抱っこしてキッチンの方へ顔を出すと、黒い長袖Tシャツにジーパン姿の司が、食卓に皿を並べていた。


「おっ…」


大きな身体を折り曲げるようにしていたのを、真彩と目が合うと背筋を伸ばし、

「おはよう。よく眠れた?」と訊いた。


「うん」


真彩は頷いた。


「朝までグッスリ!
それにしても、昨日の夜来て、朝帰るなんてちょっと慌ただしいね。

もっと、司と一緒に過ごしたかったな……」


にっこりと微笑んで、正直に自分の気持ちを言った。






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