イケメンルーキーに恋をした


「はぁ……死ぬかと思った」


流れを切るように横切るのは、チビのあたしには一苦労。


髪もボサボサ、制服ももみくちゃにされてボロボロ。


あたしは手で素早く髪型と制服を整えた。


「うわ、ひどっ」


低い嫌味な声が聞こえ、あたしはムスッとして振り返る。


岩石先輩と一緒に抜けてきた田尾くんがボロボロのあたしの全身を見て嫌そうな顔をする。


あたしが田尾くんからプイッと顔を逸らすと、彼は小さく吹きだしクククと笑った。


フンッ!!


そうやってあたしを見下して笑ってればいいよ!!


別に何も気にならないし!!


悔しくて奥歯をギリギリと噛みしめる。


「今日の部活は、女バス合同で合宿の打ち合わせをするから」


岩石先輩の声に、頭の中でパチンと音がして田尾くんから部活のことへ思考変更。


「もう合宿かぁ。なんか色々あってあっという間でしたね」




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