イケメンルーキーに恋をした
ち、違う……。
そうじゃない……。
あたしが好きなのはあなたで……田尾くんしか、目に入らないのに……。
あたしは、やっとの思いで重たい首を横に動かした。
「じゃ、誰なんすか?」
……え?
「ミニ先輩の、好きな人」
……あたしの、好きな人は……。
「……好きな、人?」
あたしの声は、殆ど空気が抜けたような声。
「いるんでしょ?」
いるよ。
今、あたしの目の前で、真面目な顔してあたしとジッと睨みつけている人だよ。
常に無表情でクールで、だけどたまに見せる笑顔だったり不機嫌な態度がいちいちあたしの心に引っかかる、たちの悪い後輩だよ。
もう喉まで言葉が出てきてるのに、やっぱり言えない。
ここで失敗はしたくないから。