イケメンルーキーに恋をした


「あたし、美海を疑ってたんじゃない。ちゃんと、先輩から事情を聞いたし」


「…………」


「ただ……悔しかっただけなの」


眉間にシワを寄せるさおりの表情は、ただ悲しいのではなく、あたしに対して物凄く申し訳なさそうに見える。


それが余計に、あたしの涙を誘った。


「あたし、本当は先輩が美海のことを好きなの、ずっと前から知ってたの」


……え?

知ってた……?


「先輩、ずっと美海しか見てなかったよ」


……嘘。


「クラスマッチの時も、昼休みも、部活中も……。あたしだって、先輩しか見てなかったんだもん……それぐらい気づくよ」


「…………」


「合宿の時、美海が行方不明になったでしょ?あの時だって、先輩血相を変えて必死に美海のこと探してた」


さおりが、苦しそうに声を出す。


「文化祭の行事に参加するカップルを決める時も、美海が転んで一番に駆けていったのは先輩だった」


……そんな。




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