イケメンルーキーに恋をした


……田尾くん。


「だからもう、俺にかまわないで下さい。何を言われても、バスケはもうする気ないんで」


「なんで?」


「なんでって、わかるでしょ?俺のせいで先輩がケガをして……」


「直接聞いてないんでしょ?」


あたしは、田尾くんの言葉を遮った。


田尾くんが「は?」と眉を寄せる。


「大会でケガをした後、先輩の内心を」


「そんなの、聞かなくてもわかるじゃないっすか。誰だってあんなことになったら恨むに……」


「そうかな」


また彼の言葉を遮ると、田尾くんはいい加減にしろと言わんばかりに目を強く瞑った。


「確かにはっきりしたことはわからないけど、田尾くんが思ってるようなことはないんじゃない?」


「はっきりしたことがわからないのに、どうしてそんなことが言えるんですか?」


「田尾くんこそ、直接聞く勇気がないくせに、どうして勝手に恨んでるって決めつけてコソコソ隠れて様子見に来てるの?」


田尾くんの目がピクリと動く。




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