続・捕らわれ姫







あの日、先生の熱を感じたのが嘘のような、クールな日々が続いてる。



小池さんが、放課後に毎日準備室に来てるせいかなと思ってたけど……でも。やっと二人きりになれたのに、甘い時間は訪れない。

もしかして、からかわれてただけなの…?とか思っちゃって。




「―――…さん」



こんなに好きなのは、私だけなのかな…?




「―――姫野さん!」


「うわっ はいぃぃい!」



その呼び声に、勢い良く立ち上がった。





「早く片付けて下さい。帰りますよ」


「はい…っ」



慌てて先生を見ると、机に広げられたプリントやらを片付け始めていた。

私はそれを見て、急いで雑巾とバケツを持って廊下に出て行く。

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