テロリスト
「……んっ…」

少しだけ鼻で息を吐くのと同時に重ねた唇の端から吐息が洩れる。
それが合図だったかのように、
ゆっくりと名残惜しそうにその触れ合いを解く。

「…なぁ。」

唇は離してもまだその頬に添えた手はそのままで、
じっと真面目な顔を見つめていた貴方のふっと囁くように問うた声に
あたしもその瞼をあげる。
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