私の彼氏は中国人留学生
「......キスして、暁明」



ようやくアパートについて、部屋までのあと少しの距離も我慢できずに、エレベーターに乗った瞬間にキスをねだった。



「さっき外は嫌だって言ったのに......」



文句を言いながらも、すぐに私の頭を引き寄せて、熱いキスをしてくれた。


たくさん話をして、キスして、触れ合いたい。

私を忘れないように、二人の思い出をたくさん作るために。


彼が私から離れていくのなら、私にはひきとめることはできない。

ただでさえ、違う国の人。
この先どうなるのかも、分からない。


暁明の未来を縛ることはできないけど、私を必要としなくなるその日まで、私をそばにおいて。


二人がこの先離れてしまっても、新しい彼女ができても、仕方ないよ。


でもね、たまにでいいから私のことを思い出してほしい。

毎日のように一緒にいて、こうしてキスをした私のことを、どうか忘れないで。


暁明のことを大好きな女がここにいたということ、どうか忘れないでね......。
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