私の彼氏は中国人留学生
「あ!マーマ(お母さん)!」



スーツケースを受け取って少し歩いたところ、迎えの人がたくさん待っている場所に暁明のお母さんもいた。

きちんとした身なりの人で、そんなに怖そうじゃない。



「はじめまして、高田美月です。
お会いすることができて、とても嬉しいです」



とりあえず挨拶をしようと、飛行機の中で練習した教科書に載っているようなテンプレ挨拶を中国語で披露した。


そうしたら、私が中国語を話せると思ったのか、暁明のお母さんに早口の中国語で何やら言われたけど、さっぱり分からない。


ひたすら、チンプトン(分からない)を繰り返す失礼な私。

だって、本当に分からないんだもん......。


だめだな......。
授業はゆっくり話してくれるからついていけるけど、現地の人に普通に話されると全く理解できない。


上海について早々、いきなり自信を失ってしまった。


私は一人落ち込んでいたけど、誰も気にしていないようで、さっさとどこかに移動を始めたので、慌てて二人についていく。
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