私の彼氏は中国人留学生
「美月も、辛かったよね。
前の電話の時はあんまり話せなかったから、今日は美月の話じっくり聞かせて?」



辛かったよ、今だって辛い。
本心を言えばそうだけど、それを口に出すと自分がものすごく自分勝手な気がする。

暁明を苦しめて、何も言わずに逃げた私に「辛い」と言う資格があるのかな。



「最初は辛かったけど、もう大丈夫。
ほら新しい彼氏でもできたら、すぐに忘れるから。

だから、私のことは心配しないで」



誰かいい人がいたら紹介してーと心にもないことを、無理矢理笑顔をつくって口に出してみせるけど。



「大丈夫なわけないっ!
どう見たって大丈夫なように見えない。
なんで強がり言うの?

男は離れていっても、私たちはずっと一緒なんだから。
親友の私には遠慮しちゃだめなのっ」



少し声を荒げて、涙を浮かべるかおり。

かおりには、親友には、私の強がりなんてすぐに気づかれるんだ。

そうだよね、道端で泣き崩れてる人が大丈夫なわけないよね。

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