私の彼氏は中国人留学生
「そうだったの、大変だったね」



全てを話し終えた私にかおりは同情してくれた。......笑いながらだけど。



「笑いごとじゃないよ、ほんとに。
警察から電話がかかってきた時には、とうとう何かやらかしてくれたのかと、あせったんだから」



暁明の悪口を言ったり、最近プロポーズされたというかおりとケンちゃんの話で盛り上がっていたら、暁明のお母さんが個室に入ってきた。

かおりにまたあとでね、と目配せをして二人きりになる。



「今日は日本まできてくださり、あの、ありがとうございます。

暁明......さんのお母様には、以前私たちの将来のことをご忠告頂いたにも関わらず、明確な答えも出せないまま、えっと。

結局は強引に気持ちだけで押しきってしまい、本当に申しわけないと思っています......。

あの、でも......」



何を言うか考えてきたけど、暁明のお母さんの厳しい表情みたら、緊張で忘れてしまった。

暁明がいれば分からない言葉もフォローしてもらえるけど、一人だとまだうまく言葉が出てこない。

退職までの仕事の引き継ぎと、式の準備で忙しく勉強する時間もなくて、私の中国語もあまり上達していない気がする。

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