先天性マイノリティ



「ゼロジ、あんたは死んじゃ嫌だよ。コウだって死んだら嫌だった。絶対、嫌だったのに」



しゃくりあげながら、彼女は言う。

俺もメイも、互いが死んだらこの世界で独りきりになってしまう。

…俺たちはいつだって、今だって、三人でひとつなのに。






散々泣いた後、数秒前までの涙が嘘のようにメイは無邪気に笑った。

乱暴に顔を拭ったせいで化粧は完全に剥がれ、彼女の顔つきは普段よりも幼く見える。

冷蔵庫の奥にあったいつ買ったのかわからない缶ビールを二つ開けて、乾杯。

コウの思い出話はいつまでも尽きない。

グラスに映る膨張した顔をつまみに笑えるようになる頃には立派な酔っ払いの完成(喩えそれが、強制的だとしても)。




『コップは夢を見ると思う?』



潜在意識を撫でる声に、今の俺なら答えられると思う。


…ああ、だけどやっぱり無理だ。

お前がいないから話せないよ、コウ。

お前に直接伝えたい。





共に齢を重ねて生きたかったという本音も、一緒に。






…なあ、一緒に、生きよう。






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