金魚すくい


「柚子……っ!」



再び力一杯抱きしめられて、その衝動で涙はポロポロとこぼれ落ちる。



「好きだ……」



優。


優。



私も、好きだよ。



私をあの生け簀からすくってくれた優。


今度は私が優をすくってあげる。


一緒になって、悲しみからすくってあげる。



優。


優。



涙が邪魔して優の顔が見えない。


必死になって涙を拭っているとーー。


目元に降ってきたのは、優の唇。


何度も、何度も。


キスが私の顔に降り注ぐ。


くすぐったくて、恥ずかしくって、きゅっと目を瞑ったらーー。



今度は唇にキスが降りてきた。



深く、深く……。



私を確かめるように。


私に溶け込もうとするように。



深く、深い、キス。




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