金魚すくい
「柚子、高校を卒業したら……結婚しよう」
ーー全身に電気が駆け抜けた。
驚きのあまり、目を見開いて目の前の優を真っすぐ見やる。
優は微動だにせず、力強い眼差しで私を捉えていた。
その瞳に映る私は、なんて滑稽なのだろう。
顔がふにゃりと歪んで、眉間には深いシワを刻んでいた。
だけどそれもすぐに見えなくなる。
涙が視界を妨げて、優の顔が、周りの世界が……見えない。
「……っふ……」
思わず声が漏れる。
そんな私を見て、
「ごめん……事が早急すぎたよね」
たじろいだ声が耳に響く。
「泣かないで、柚子……今の忘れていいから」
忘れる……?
そんなの出来るわけがない。
だってーー。
「嬉しい……」
本当に嬉しかったからーー。