真夜中の訪問者


『美南!入るぞ』




ノックもせずに扉が開かれた。




「ちょっと!急に入って来ないでよ」




気にすんなよ、と言った大和は上半身裸で首からバスタオルをかけている出で立ちだ。



その姿がまるでドラマから飛び出して来たようでじっと見つめてしまった。




『ふ。俺の裸、気になる?』




「バ、バカ!んなわけないでしょ」




チェッ、なんて軽く舌打ちをする大和。




何の用か聞けば、枕にするようなクッションが欲しかったらしい。




いつもは使わないくせに今日は何を言ってんだか。




『お!いいのあんじゃん』




そう言って大和は私の枕に頭を乗せてベッドに寝ころんだ。




「ちょ、ヤダ!これは私のだって」




『いいだろー』




ベッドの上で小学生のように取り合いをする私達。




ふと我に返ってしまい、裸の大和とベッドにいることが恥ずかしくなり素早くそこから降りた。



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