先生に恋をして
 「はぁ~~~~~~あ」

「どしたの?そんなでっかいため息なんかついて。」

 めいがクロワッサンをこぼしながら言う。

 「別にぃ・・・てか汚いよめい。見た目可愛いんだからもっと綺麗に食べなさい。」

「千夏お母さんみたいー」

「でも最近元気ないよ?千夏?」

 疾風はおにぎりを食べている。

 「別にぃ・・・」

「別にじゃないだろ。悩み事?」

「別にぃ・・・」

「そればっか」

「うんー」

 話が続かない。悩みはある。先生の事だ。でもそれを相談しちゃったら私が佐々木先生のことが好きだってバレてしまう。だから言えない。

 「そういえばさー帰り道に雑貨屋さんあったじゃん?」
 
 優未が話題を変えてくれた。「ありがとう」と目で合図した。優未はウインクをして返した。

 「あー、あの可愛い所ね!そこがどうしたの?」

 可愛い物に目がないめいが食いついてきた。

 「今セール中なんだって!」

「本当!?じゃあ今日の帰りにでも寄って行こうよ!」

「良いのか~帰りに寄り道して~?」

 疾風がからかった。

 「ダイジョブダイジョブ♪」

 私は疾風に心配性だなぁという気持ちで返した。

 「ダイジョブじゃねーよ。」

「いでっ」

 高い位置から低い声が聞こえたと思ったら何かに頭を叩かれた。

 「何じゃぁ!」

 私は後ろを振り返った。

 「ハハハ。にゃんこが怒ったみたいだ。」

 そこにいたのは川村先生だった。
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