パツ子と甘えん坊くん。



真琴の部活が終わった帰り道。
指を絡めて手を繋いでいても、無言で歩く。



あたしは真琴とは反対側を見て歩く。
そんなあたしを真琴はシュンとした顔で見ているのが視界に入る。



そんな顔したって許さないよ。
今回のあたしは可愛い真琴のシュンとした顔に負けずにそっぽを向く。



そういえば前も真琴が嫉妬して、あたしに寄りかかってきたときも恥ずかしい思いして怒ったな。



交差点の赤信号で足が止まる。
すると真琴があたしの顔を覗き込んできた。



「…小夏…?」



真琴に呼ばれ、怒っているということをアピールするために頬を膨らませた状態で真琴を見る。



すると…



カシャッ



あたしの目は自然と見開いた。
真琴の方を向いた瞬間に聞こえたのはスマホのシャッター音。



な!?撮った!?
今あたしを撮った!?



驚いたあたしとは逆に、真琴は微笑んでいる。



そして撮ったばかりの写真をあたしに見せてくる。


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