パツ子と甘えん坊くん。
更に最悪なことにこの学校は中学からの進級制の高校。
もちろん高校から入学してくる生徒や違う高校へ行く生徒もいるけど、だいたいはそのままこの高校へ繰り上がる。
だから…
「お、パツ子じゃん!何?また真琴の見学?」
あたしのことをパツ子と呼ぶ中学からの知り合いも多い。
てかあたしのクラスの男子は中学が同じだった奴ばっか。
もちろん真琴とも中学から一緒。
「パツ子パツ子うっさい!アンタ達が言うから一年にまで広まったでしょうが!」
立ち上がり、シャーとお菊が威嚇するように爪を立てる。
本気で怒ってるあたしを気にもせず、男共はケラケラと笑っている。
そして『パツ子、前髪パッツンのパツ子〜♪』などと勝手に歌を作っては笑いながら歌っている。
アンタらは小学生かとツッこむ以前に怒りがフツフツと頂点まで上がってきた。
本気でビンタしてやろうかと飛びかかろうとした瞬間、男共の顔色が青くなったのが分かった。
男共はどうやらあたしの背後を見て顔を青くしたようだった。
あたしの後ろ何もいないのに…
「わ、悪かったよお邪魔して!じゃ、じゃあなパツ子!」