パツ子と甘えん坊くん。



男共は顔色を青くしたまま去って行った。



謝った割にパツ子と呼んで立ち去る奴等に苛立ちは隠せない。



追いかけようかと思った矢先、あたしの隣に誰かが腰掛けた。
誰かはすぐに分かった。



「ま、真琴!休憩?」



真琴は首筋から流れる汗をタオルで拭き取りながら、「ちょっとサボり」と言って笑った。



この仕草を見ただけで、あたしの心臓の鼓動は早くなる。



それと同時にあたしの背後にいてあの男共を追い払ってくれたのが真琴だと分かる。



きっとあたしが男共にからかわれてるのを見て来てくれたんだ…



そう思うとあたしの顔は赤くなり熱をもつ。
もしかして妬いてくれたのかな、なんて有り得ない期待を考えた。



真琴は鈍感だからあたしが男子と言い合っていても、友達と言い合ってるだけとか考える。



だから今回も男友達と言い合ってるだけだと思ってるにちが…



コツン、と何かがあたしの肩に触れた瞬間、あたしの思考は停止した。


< 13 / 236 >

この作品をシェア

pagetop