パツ子と甘えん坊くん。



驚いて隣を見ると、真琴があたしの肩に頭を預けていた。



「…ま、まこ、と…?」



恐る恐る名前を呼ぶ。
髪の毛のせいで真琴の顔がよく見えない。



怒っているの?
笑っているの?
拗ねているの?



しばらくの沈黙の後、小さな真琴の声が聞こえてきた。



「…俺だって嫉妬くらいするよ?…」



ドキッ



胸が痛いくらい鼓動が速い。
真琴はあの光景を見て、嫉妬して助けてくれたんだね。



ううん、嫉妬したから男共も追い払ったんだ。




すごく嬉しい。
今まで真琴が嫉妬したなんて言ったことなかったから。



ありのままで天然の真琴が、ありのままの気持ちをあたしに伝えてくれた。



時々こうして甘えてくる大きな真琴が好き。



大きい身体してちっこいあたしに甘えてくる真琴が大好き。


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