パツ子と甘えん坊くん。
あたしの中のは天使と悪魔が入る隙もないほど、こんがらがっていた。
どうしようかと悩んでいると、真琴が「じゃあまた明日」と言ってあたしの頭を撫でた。
やばい、真琴帰っちゃう!
早く決めないと!
真琴があたしに背を向けて歩き出した。
その背中が寂しそうに見えた瞬間、あたしは走り出していた。
「…ま、真琴…!」
真琴に近づき腕を掴んで振り向かせようと手を伸ばすと、真琴が急に立ち止まった。
あたしは慌てて急ブレーキをかけ止まる。
すると振り返った真琴は腰をかがめて、あたしの後頭部を引き寄せた。