*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
その言葉を何事もなかったように聞き流した灯は、男たちに静かな視線を向ける。




そして、後ろ向きのまま、釣殿から飛び降りた。







「あ………っ!!」





男たちは驚いたように駆け出し、高欄につかまって下を見下ろしたが、そこには灯の影も形もなかった。






「………な、ど、どこへ消えたーーー?」



「わ、分かりません!!」



「全く姿が見えません!!」



「やられた………!!」




男たちは悔しげに地団駄を踏んだ。




「………と、とにかく、邸じゅうをくまなく探せっ!!」




「はっ!!」






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