*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
群雲が二人の目をじっと見つめながら、小さく訊ねる。






「灯が何者なのかーーーそれを知って、お前たちは、どうする」







「……………」







「もし万が一…………。


灯は普通の人間とは違うんだ、お前たちとは違うんだ、と俺が言ったら。




ーーーお前たちは、灯に対して、今までとは違う対し方をするのか?」







「…………あ」








卯花が呻くように呟き、楪葉は大きな瞳をさらに大きく見開いた。







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