*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語







とにかく、東二条邸の男たちが汀と露草を見つけ出してしまう前に、二人の身柄を確保しなければならない。





灯は邸のまわりを一周し、汀の痕跡を探した。







裏門の辺りにさしかかったとき。






(……………あった。



この、若い果実のようなにおいは………。



間違いない、あいつのにおいだ)







少し離れたところで辺りに視線をめぐらせていた藤波を、灯が呼んだ。







「藤波、見つけたぞ。追おう」




「分かった」







灯の鼻を頼りに、二人は汀の跡をたどりはじめた。








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