イケメンの顔面踏んづけた結果。
「何であたしがお化け役なの!?」
それから役割分担を決めることになって、あたしは小道具とかそんなんがいいかなー、なんて考えていたら
「あー、俺が推薦した」
黒板に書かれたお化け役の欄に、いつの間にかあたしの名前が。
「はぁ!?関口が!?」
「おー」
爽やかに笑う関口。
「だってお前、中学の頃行った遠足で平然とお化け屋敷入ってたじゃん?」
「だからって何で!」
「いいじゃん、お前物怖じしないし向いてそう」
「まぁお化けみたいな顔してるしな」
背後から聞こえたそんな声に振り向くと、不機嫌そうに眉をひそめた新藤慧が。
そしてなぜか、あたしと関口の間に割って入るようにして立つ。
「ちょっと、そこ邪魔なんだけど」
「うっせーな黙れ。
つか何で俺までお化け役なんだよ」
関口を睨む新藤慧。
え、うそマジで?と黒板を見ると、あたしと一緒のお化け役の欄に、新藤慧の名前もあった。
「あーそれな。女子からのリクエスト」
睨む新藤慧にも怯むことなく笑顔の関口。
「あぁ!?リクエスト!?」
「そう。なんでも“お化けの慧様”がいるだけで、女子の来店率大幅アップらしいぜ」
お化けの慧様…